映画「釣りバカ日誌」シリーズで釣りに夢中な愛すべきサラリーマンを演じたことで知られるベテラン俳優の西田敏行さんが10月17日に亡くなった。享年76歳。
警視庁によると、西田さんはその日の午後12時半ごろ、東京世田谷区の自宅のベッドで倒れているのが発見された。
受賞歴のある俳優で歌手の西田さんは、「釣りバカ日誌」シリーズの漁師「ハマちゃん」から、何百もの映画やドラマでの強面のギャングまで、幅広い役を演じてきた。
西田さんは1947年、福島県郡山市生まれ。
1970年に青年座に入団し、江戸時代の謎の浮世絵師・東洲斎写楽の生涯を描いた舞台「写楽子」で主演を務め、注目を集めた。
1980年にはテレビドラマ「池中玄太80キロ」で主演デビューし、高視聴率を記録。
1981年にはNHK大河ドラマ「おんな太閤記」に出演し、人気が高まった。
1988年からは人気漫画を原作とした「釣りバカ日誌」シリーズで主演を務めた。
ハマちゃん役の西田と名優・三國連太郎のコンビは多くのファンに愛された。同シリーズは2009年まで22作が放送された。
また、北野武監督の映画「アウトレイジ」シリーズでは、ヤクザの幹部役を力強く演じた。
270本以上のドラマや映画に出演し、多芸多才な演技を披露した。
俳優業に加え、歌手としても活動し、1981年に発表した「もしもピアノが弾けたら」が大ヒット。
歌手としては、NHKの人気大晦日音楽番組「紅白歌合戦」に4回出演し、司会も務めた。
バラエティ番組にも多才な才能を発揮した。 2001年から2019年まで、視聴者からの問い合わせを受けて調査を行い、風変わりな謎を解くテレビ番組「探偵ナイトスクープ」の司会を務めた。
芸人としてのキャリア以外にも、日本俳優連合会長や日本アカデミー賞組織委員会副会長を務めた。
1989年に『絹の道』、1994年に『学校』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を2度受賞。