「声を上げなければ死んでしまう」:物価高騰で生活保護受給者が苦難を語る

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政府は、物価高騰で2年延期されていた生活保護の見直しを年末にかけて議論する。一方、生活保護受給者は生活に困窮しており、生活保護受給者の1人が毎日新聞の取材に、生活が追い詰められている現状を語った。

東京都在住の50代女性は生活保護受給を始めて約4年。生活保護費の値上げは、生活に困窮する人々の生活に影を落としている。女性は週3日、夜8時に近くのスーパーに通い、半額のシールが貼られた食料品を探す。今夏は電気代を抑えるため、室温が36度になってもエアコンを使わず、扇風機だけで暑さをしのいだ。月々の給付金は7万円弱で、いくら節約しても手元に残るのは2千円だ。

会社員だった2018年、全身に激しい痛みが出て日常生活に支障をきたす線維筋痛症と診断された。数年前にも別の病気と診断され、月10万円に上る医療費を貯金などでまかなってきたが、貯金も底をつき、薬の副作用で2019年に仕事も辞めざるを得なくなった。

病院のケースワーカーが生活保護申請を代行し、医療費の自己負担はなくなった。しかし、物価高騰で生活は厳しく、食費もままならない。支えてくれた知人が亡くなったときは、香典の用意もままならなかった。

昨年8月、スーパーで同じく生活保護を受給している70代女性と知り合った。女性は、自宅のエアコンが直らないので涼むために毎日閉店時間まで店に来ていたと話していた。

今年8月、毎日来ていたはずの高齢女性に会わなくなった。その後、女性が自宅で熱中症で亡くなったことを知った。

自身も自宅で熱中症で倒れた経験がある。「声を上げなければ、私も同じように死んでしまう。働いているときと違って、人間として普通に生活したり、最低限の付き合いをしたりすることさえ難しい状況だということを知ってほしい」と話した。

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